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同僚の瓜生忠久義教授は、もともと映像プロデューサーだった人だから、いわゆるアカデミズムの世界とは、縁がなかった。その点、ぼくとも気が合う。今回は、報告のような原稿になるが、瓜生教授との共同プロジェクトが、一段落した。それは、「新・石見風土記」と題する映像である。
県の文化ファンドやら、あちこちから支援を受けて、どうやら第一期分の石央編が完成したところである。
石見地方の民話をもとにして、映像化して、小中学校の教材にも使える作品を作ろうというわけだ。
映像部分は、瓜生教授の専門だが、ぼくも無関係ではない。その昔、手塚治虫氏のもとで「鉄腕アトム」のシナリオを書いたのを初めとして、テレビアニメのシナリオを百本以上も執筆したことがある。このあたりの自分史は、浜田へ来てからも、講演などで喋ったことがあるが、いずれ、このコラムでも書いてみようと思う。
そこで、ぼくが、原作、シナリオという形で、「新・石見風土記」に加わることになった。
もともと関東で育ったから、こちらの民話には詳しくない。えんこう、と言われても、それがカッパのことだとは、判らなかったくらいだった。広島駅前にえんこう橋というマーケットがあることを知ったのは、そうとう後になってからである。
ラインアップを紹介しよう。
第一話「ヤマンバの機織り」(石見町の民話より)
第二話「とっつこうか、ひっつこうか」(田橋町の民話より)
第三話「エンコウと馬」(江の川流域の民話より)
第四話「犬島、猫島の巻」(畳ヶ浦の伝説より)
というストーリーで、ビデオとDVDが、完成したのである。
もちろん、商業映画のように金をかけられないから、出演者は学生、浜田市民のボランティアー、映像部分も実写のほか、紙芝居の手法も使って、一部だけ簡単なCGで逃げたりした。また、主人公は、民話の世界へトリップする子供神楽の少年という設定にしたので、上府子供神楽社中の方々には、おおいにお世話になった。また、江戸時代らしい雰囲気なので、衣装も変えなければならないのだが、これまた予算がない。そこで、出演者の自前ということになり、ついに市内の美容院の協力を無償で仰ぐことになった。
さらに困ったのが、ロケ場所である。藁葺き小屋を探しに、車を走らせたり、竈を探しに、走り回ったりという有り様だった。昔風の竈があると聞いて、訪れても、たいてい周囲にタイルが張ってあり、使いものにならなかった。とうとう発砲スチロールで業者に作らせたものだった。
そんな苦労もあったが、どうやら一期分だけは完成した。このあと、石西編を作らなければならない。津和野、益田など、こちらも民話の宝庫なのだが、ロケハンだけで、すでに資金が尽きている。瓜生氏もぼくも、今年度の研究費を使いはたしてしまった。
そこで相談だが、地元の方で、協力してもらえる人は、いないだろうか。もちろん資金面が有り難いのだが、早い話が、足のことを考えただけでも、毎回いつも苦労している。出演の学生、スタッフを乗せて移動する車も、自前でまかなわなければならない。どんなかたちであれ、お手伝いいただける方は、ご連絡ください。
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